"APPUNTI"  2021
The main themes Boffelli constantly pursues are the “figures” of animals and human beings, or so to say, the very form of living creatures. These “figures” continue to change shape, twist, and become almost indistinguishable and finally result in regaining a mysteriously familiar appearance. He has explored and used printmaking and drawing on various materials such as canvas, cardboard, metal, wood, and paper but his true constant work is the black line. He uses a single determined line to build a closed shape inside a neutral space. To those who ask Boffelli why, after so many years, he is still pursuing and exploring the same theme over and over, he explains that his work became like a fun experiment to him because he wants to see where the black line will ultimately lead him. The artworks presented in this exhibition are the result of the last 3 years of work, where screen printing is the most used technique.
ボッフェッリが一貫して追究しているテーマは、動物や人間、いわば生き物の「形」です。うごめき変わり続けるそれらの「形」は、ねじ曲げられ、ほとんど見分けがつかなくなり、その結果、ふしぎと馴染み深い見かけを取り戻します。彼は、キャンバス、段ボール、金属、木、紙など、様々な素材の上に版画やドローイングを使用し探究してきましたが、真の不変の仕事は、一本の黒い線と言えるでしょう。ニュートラルな空間に力強く、ぶれない線を描きその全貌を完成させるのが彼のスタイルです。何年も同じテーマを追求し続けている理由を「この黒い線がどこへ自身を導くのかを見届ける、いわばより遊びに近い実験のようなものだ。」と彼は語っています。 

今回の展覧会で発表している作品は、ここ3年の仕事の集大成であり、特にスクリーンプリントの技術を多用しています。京都にあるシルクスクリーン工房とのコラボレーションが、かつてインドやスリランカで実現してきたような大判サイズの実験を再開する契機となりました。これは、大量のエディションを可能とするシルクスクリーンという技術を使いながらも、敢えてユニークピースの作品に仕上げるという可能性の確認でもありました。版画の技術を、営利としてでなく、表現言語の選択として使用していることを強調しています。人間や動物の形は、新しい作品サイクルの主なテーマであり、一方、それを実現するために頻用する手段は、やはり”線"なのです。 

タイトル「APPUNTI」について、ボッフェッリはこう語っています。 
「イタリア語の APPUNTI の様々な定義の中でも、私は「ある話の要点を手短に素早く書き留めること」をタイトルに込めました。この場合の「話」とは、私の人生における物事との関連、特に自分の存在に関わる事柄です。メモされた線は、”ここ"にいる自分の存在をイメージ上に留めるための手段になっているのです。おそらく、家族や子供、そして社会的生活を持つことに加えて、”ここ”での自身の存在を正当化するための試みかもしれません。」これを機に、是非ご高覧ください。
Press: TOKYO ART BEAT

photo © Marco Noris


making video directed by Marco Noris




"FIGURE"  2016
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